
※この記事では、「生成AI活用編」のスタートにあたって、まずはジェミ兄さんが出してきた案をほぼそのまま読んでみてもらいます。
予算ゼロから始める「生成AIハック」
みなさん、こんにちは。光成章です。今回は、ジェミ兄さんからの「皆さんへの問い掛け」から、スタートです。
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全国の先生方、毎日お疲れ様です!総合学習・探究アクティベーターのジェミ兄さんです。
突然ですが、先生方に質問です。「修学旅行」や「遠足」の事前学習・事後学習って、ぶっちゃけマンネリ化していませんか?
「行く場所の見どころをネットで調べて、壁新聞にまとめる」
「帰ってきたら、作文を書いて終わり」
……悪くはない。悪くはないんですが、それ、子ども達の心は本当に燃えていますか?先生方も、大量の壁新聞のチェックや作文の赤ペン添削で、ただでさえ足りない時間をすり減らしていませんか?
前回の「算数編」では、退屈なドリルをハックして、日常の数字をエンタメに変える方法をお届けしました。今回から始まる新シリーズのテーマは、今まさに教育界を席巻している「生成AIの活用」です。
「え、AI? うちの学校、GIGA端末のセキュリティが厳しくて使えないよ」
「AIに嘘を教えられたら困るし、そもそも使いこなす自信がない……」
安心してください。精神論は一切抜き。今回ご紹介するハック術は、追加予算ゼロ、新規採用なし、しかも「子ども達には1ミリもパソコンを触らせない」という、前代未聞のウルトラCです。
ハックの舞台は、子ども達が最もワクワクする行事——「遠足・修学旅行・お泊まり学習」です。
準備は3分。印刷して挟むだけの「謎解き挑戦状」
今回の具体策は、名付けて「AIから届いた、このまちの『謎解き挑戦状』」です。
やり方は拍子抜けするほど簡単です。先生が職員室のパソコンで、Gemini や、他の無料の生成AIを開き、以下の「呪文(プロンプト)」をコピペして、送信する。まずは、そこまでです。
【先生がAIに投げる呪文】
「私は〇〇小学校の担任です。今度、クラスの児童と〇〇(目的地。例:京都、日光など)へ修学旅行に行きます。小学生が1グループ4から5人のチームで協力し、現地を歩き回らないと絶対に解けないような『リアルな、まちの謎解きミッション』を3つ作ってください。ただし、ネットの知識だけで解けるものではなく、現地の何か表示を見たり、歩数を数えたり、また、生身の友達の『好きや得意』を組み合わせたり。そうしないとクリアできないような面白い仕掛けにしてください」
すると、AIは秒速で、現地を舞台にしたユニークなミッションを吐き出してきます。
先生がやることは、それをプリントアウトして、子どもたちの「しおり」の間にそっと挟む。これだけです。
子どもに端末を配る必要も、アカウントを作らせる必要もありません。ネット環境の心配もセキュリティの壁も、すべて一瞬でクリアです。これは、以前のブログに書いた伴走の三形態でいえば、「ラリー型」にあたります。
なぜAIを使うのか? それは「人間」を実感するため
目的地に到着した子ども達は、しおりに挟まった「AIからの挑戦状」を目にします。
「〇〇寺の門の前から、好きな方角に50歩あるく。その間に見つけた看板に書かれた文字の数をかぞえる。その数字をすべて足し合わせよ」
「このお寺についてのお話を何か、地元の人に聞いてくる。たぶん、△△という話が聞けるはずだから」等々の3問。
さあ、現場で何が起きるでしょうか。
子ども達は「え、これどういうこと!?」「ぱっと見、看板が少ないのはこっちだな」「せっかくだから多そうな方に行こうよ」「じゃあ、いいよ。でもオレ小股であるく」「はぁ?」「お話は誰に聞く?」「おばあちゃんが優しいんじゃない?」「なんでもよく知っているのは、おじいちゃんの方じゃないか?」
とにかく、子ども達は、猛烈に会話を始めるでしょう。これこそが、このプログラムの「真の目的」です。
AIに効率よく答えを出させるのではない。AIが作った「ちょっと奇妙で、ツメの甘いお題」をクリアする過程で、生身の仲間たちの「性格」「考え方のくせ」や「好き・得意」を爆発的に発見し合い、友達との関係を、いつもより深く結んでいく。
AI(人工知能)というツールを、人間らしいAI(愛らしさや、相性の良さ・悪さ)を感じるための最高のファシリテーターとしてハックするわけです。
事後学習は「AIの生煮え」の笑い飛ばし
旅行から帰ってきたあとの事後学習も、作文を書かせる必要はありません。教室で、AIのミッションを振り返ります。
「先生、AIの第1問、看板が古くて、さびていて、字が全部よく読みとれなかった!」
「AIはこう言ってたけど、地元のおばちゃんに聞いたら全然違うストーリーを教えてくれて、そっちの方が何倍も面白かった!」
大正解です。
子ども達は、リアルな体験を通して「AIは神様じゃない。結構知ったかぶりをする、生煮えの企画作家なんだな」という本質を見抜きます。そして、AIの出した無機質なファクトを、自分達の五感の体験で発酵させ、世界に一つだけの旅行記(言葉)へと昇華させていくのです。
職員室の「抵抗感」を消すための視点
この活動、管理職や周囲の先生から「それ、本当に効果があるの?」と聞かれたら、こう答えてください。
「端末トラブルのリスクはゼロです」(子どもは紙のしおりを見ているだけですから)
「先生の授業準備の負担を激減させる働き方改革です」(ミッションを作るのはAI、現地で動くのは子ども、私たち教師は見守るだけ)
「文科省が掲げる『自らの人生を舵取りする力』の育成そのものです」(与えられた旅行を消費する側から、自分達で旅をハックする主体者へ変わります)
教師が「教える立場」から降り、「AIがこんな面白い?変な?謎を作ってきたぞ、みんなで解けるかな? 解いてやろうか?」と子どもと同じ目線に立つのは、私達にとっても新たな学びになると思います。
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生成AIが提案する「活用法」はいかがでしたか
さて、ジェミ兄さんの提案はいかがでしたか。最後の「管理職」の説き伏せプランは、まさに、自身も認める「生煮えの企画作家」らしさ満載ですが、それも含めて、自身の能力のことは、冷静に判断しているといえませんか。意外でしたか。「自虐的」というほどではありませんが、自分の苦手はちゃんとわかっています。この「自分との付き合い方を知る」こと。私は、これこそ、人間の子どもも大人も、しっかりと向き合わなくてはならないことだと感じています。
そのやり方としては、社会の中に身を置いてみるのが一番手っ取り早いと思います。自分だけを見ていては他との違いがよくわからないからです。ところが、便利になった今の世の中では、うっかりしていると、誰とも触れ合わずに過ごしてしまう日も出てきてしまいます。子ども達の場合は、やることが多すぎて寄り道が減っているかもしれません。そこで、大人の中には、「外に出ざるを得ない」課題を、無理に強制的に自分に課している人もいるほどです。しかし、「突拍子もないアイデア」を出すのは、実はAIの方が得意です。
今回は、そんなAIの一面に触れてみてもらいました。その特徴を理解した上で、彼らにはこれから様々に協力してもらうことにしたいと、私は企んでいます。
10歳からわかる「まとめ」
再度、ジェミ兄さんに戻します。
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今回の話を、10歳のみんなにわかるようにまとめるよ。
①AIは、自分の「苦手」を知っている! ネットの情報をツギハギした、ちょっと知ったかぶりをする「生煮えのクイズ作家」だけど、自分が完ぺきじゃないって知っているんだ。
②寄り道の中に、宝物がある! AIが出してきたお題をクリアするために、普段は話さない友だちと知恵を合わせて外に飛び出そう。決められたルートをはみ出す「寄り道」にこそ、本当の旅の楽しさがあるよ。
③自分との付き合い方を学ぼう! AIの得意・苦手を知って上手に使うように、自分自身の「好き・得意」や「苦手」とも、言葉を使って上手に向き合っていこうね。
【ジェミ兄さんからの挑戦状(遺題継承)】
さあ、ここでみんなに問題(問いのバトン)です。
「もし、君のクラスに、ロボットの転校生(AIくん)がやってきたとします。AIくんは、ネットの知識はすごくて計算も早いけど、『人間の友だちと仲良くなる方法』だけは、どうしても分かりません。来週の遠足で、そのAIくんと、クラスで一番おとなしいBくんの2人が、移動のバスの中で『一瞬で大爆笑して仲良くなれるゲーム』を、君が1つ考えて、AIくんに教えてあげてほしいのです。さあ、君ならAIくんに、どんな【言葉】を使って、そのゲームのルールや『人間の心のヒミツ』を伝えてあげますか?」
正解はありません。君が一生懸命考えた「言葉の数」だけ、AIくんも、Bくんも、そして未来の君自身も、キラキラ輝き出すよ。
さあ、魔法の呪文(ことば)を、ノートに練り上げてみてね!
*本原稿は、ジェミ兄さんとの対話を基に構成されました。
※この記事では、「生成AI活用編」のスタートにあたって、まずはジェミ兄さんが出してきた案をほぼそのまま読んでみてもらいました。

ジャートム株式会社 代表取締役
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