
※この記事では、教科としては「公民」を念頭に、具体的な活動例にも触れながら、社会を動かすことについて考えます。
「公民」の教科書は現代のシーソーの取扱説明書
【社会編】に入ってからお届けしてきた、Google Earthでの地理の冒険、そして歴史上の「イコライザー(おもり)」のドラマ、楽しんでいただけているでしょうか?
昔の人たちが、時代の変化とともに「合わなくなってきた古い枠」に対して、みんなの納得(水平)を目指して必死にバランスを整えてきた体温が、少しずつ伝わってきたはずです。
さあ、今回の舞台は、私たちが今まさに暮らしている「現代の社会」、つまり教科書でいう「公民(こうみん)」の世界です。
「政治の仕組みとか、税金とか、言葉が難しくて子どもにはまだ早い気がする…」
そんな風に思う必要はまったくありません!
公民に書かれている難しい言葉の正体は、すべて「現代の社会のシーソーを水平に保つために、人間たちが必死に考えた『見えないイコライザー(仕組み)』の取扱説明書」とも呼べるものです。
官の力(調整おもり)だけでは、時代のスピードに追いつかない?
現代の社会にも、放っておくとどちらか一方にギュンと傾いてしまう、巨大なシーソーがたくさんあります。
たとえば、自由に競争するだけだと、たくさん稼げる人の方にシーソーが傾き、サポートが必要な人たちの側が浮き上がってしまいます。
そこで国や自治体(官の力)は、「税金(ぜいきん)」や「社会保障(しゃかいほしょう)」「福祉(ふくし)」という大きなおもりを乗せて、全体のバランスを水平に保とうとしてきました。
しかし、社会は生き物のように形を変えます。
いま、日本が直面している「人口減少」や「将来への不安」のような問題の進行のスピードや、様々な人々のそれぞれ個別の状況には、「国が作ったこれまで同様のおもりだけでは、重さが今の時代に合わなくなってきたぞ。しかも、国が法律や制度を変えるのにはものすごく時間がかかる!」という問題があちこちで起き始めているのです。
官の力だけでは、臨機応変に社会の傾きを直せない。だからこそ今、現代の社会では「公(おおやけ)の仕組みに少し手を加えた、新しいおもりの乗せ方」がどんどん生まれています。
「民間の力」や「ちょっと斜めなやり方」でイコライズする!
国が動くのを待つのではなく、自分たちで今すぐシーソーのバランスを整える。そんな逞(たくま)しい現代のイコライザーが、「民間の力」で生み出されています。また、国も、それまでにはなかった「ちょっと斜めなやり方」を生み出してきています。
大人は、子どもと一緒にネットや街の取り組みを見ながら、こんな風にワクワクする仕組みを教えてあげてください。
民間の力:「クラウドファンディング(クラファン)」や「シェアリングエコノミー」
古くからある「募金」の進化系です。「あそこに子どもたちのための居場所を作りたいけれど、国のお金が届かない!」という時、ネットを通じて世界中から少しずつお金(おもり)を集めて、一瞬で社会の傾きを直してしまう魔法のような仕組みです。実は、地域のゴミ問題を解決するためや、絶滅しそうな動物を守るために、子どもたちが中心になってクラファンに挑戦し、社会のバランスを自分たちで整えてしまった素晴らしい例もたくさんあります。
ちょっと斜めなやり方:「ふるさと納税」
「東京のような大都市ばかりにお金(税金)が集まって、地方のシーソーが浮き上がってしまう」という古い枠に対し、国が作った「ちょっと斜めからアプローチした面白いルール」です。自分の意志で「応援したい地方」を選んで税金を支払うことで、みんなの手でダイナミックに社会のおもりを移動させる仕組みです。
今の時代に合わなくなった古い枠があっても、私たちは「民間のアイデア」や「新しい技術」を使って、しなやかに、臨機応変に社会をイコライズしていけるのです。
【補足: クラウドファンディング具体例】
①絶滅しそうな動物を守る取り組み
プロジェクト名: 『【12歳】絶滅危惧種を守りたい!グッズを買って自然保護に協力してください!』(2022年実施)
起案者: 当時12歳の諒人(りょうと)くん
詳細: ドジョウをはじめとする淡水魚や絶滅危惧種が大好きな12歳の少年が立ち上げたプロジェクト。絶滅危惧種の淡水魚(イチモンジタナゴなど)の保護池を整備している自然保護団体「ぼてじゃこトラスト」を支援するため、彼自身が1年以上かけて手書きした「オリジナル絶滅危惧種大図鑑」や缶バッジなどのグッズをリターンとして販売。目標金額40万円に対し、113人の支援により53万2,350円(達成率133%)の資金を集めて見事に大成功を収めました。
ソース: https://camp-fire.jp/projects/550595/view
②地域のゴミ問題の解決
プロジェクト名: 『高校生が地域貢献のために挑戦!子どもたちとの「ゴミ拾い×謎解き」イベント!!』(2025年実施)
起案者: 池袋の高校に通う高校生たち
詳細: 普段の通学時に街に投棄されたゴミやポイ捨て問題、それに伴う異臭に疑問を感じた高校生たちが立ち上がりました。「ただゴミを拾えと叱るルールでは変わらない。多くの人に楽しく参加してもらうことで街を綺麗にしたい」と考え、学生ならではの斬新な切り口で「ゴミ拾い」と「謎解きゲーム」を掛け合わせたエンタメイベントを池袋で開催するための資金を募りました。調べた限り3回計画されています。各回ともクラファン目標の達成には至らなかったものの、イベントは実施されてきたようです。
ソース: https://camp-fire.jp/projects/809842/view
君なら、どっちのやり方でおもりを乗せる?
社会編第4回の大人の伴走Tipsは、身近な問題に対して「国に頼る? それとも自分たちで変えてみる?」という、選択肢の問いを投げることです。
街やニュースで「困っていること」を見つけたら、すかさずパスを出します。
「この問題、国がルールを変えるのを待っていたら時間がかかりそうだね。もし君が『民間の力(クラファン)』を使ったり、『別方向からのアイデア』を出したりして今すぐ解決するなら、どんなやり方を取ってみたい?」
「クラファンでみんなからアイデアとお金を募って、使われていない空き家を最高の遊び場に変える!」
「モノをみんなでシェアするルールを作って、お金がなくてもやりたいことができる街にする!」
社会の仕組みは、政治家やお役所にだけ任せておいていいというものではありません。自分たちの意志とアイデアで、今すぐ水平にデザインし直せる。その逞しい「現代のソーシャルOS」を育んでいきましょう!
(社会編・第5回へ続く)
10歳からわかる「まとめ」
国が動くのを待たない!みんなのアイデアで社会のシーソーを今すぐまっすぐにしよう!
【社会編】の第4回は、私たちがくらしている「いまの社会の仕組み(公民)」のお話だよ!
第3回で学んだ「社会のシーソー」。現代の社会では、国や役所(官の力)が「税金(ぜいきん)」や「社会保障費用(しゃかいほしょうひよう)」という大きなおもりを使って、社会が不公平に傾(かたむ)かないようにバランスを取ってくれているんだ。
でもね、国がルールを変えるのには、ものすごく長い時間がかかる。
いまみたいに、子どもの数が減ったりして社会の形が急にかわると、国のおもりだけでは「今の時代に重さが合わない!」ってことが起きちゃうんだ。
そんなとき、現代の私たちが使う最強のイコライザーが、「民間の力」や「ちょっと斜めなやり方」なんだよ!
「クラウドファンディング(クラファン)」: 「こんな素敵な場所を作りたい!」という夢に、ネットを通じて世界中の人から少しずつ「おもり(お金)」をあつめて、自分たちの手で今すぐ社会を変えちゃう仕組み。実は、子どもたちが中心になってクラファンを大成功させて、街の問題を解決しちゃった例もあるんだよ!
「ふるさと納税(のうぜい)」: 「大都市ばかりにお金が集まるのはズルい!」というカベに対して、「自分が応援したい町におもり(税金・寄付)を届ける」という、ちょっと斜めから考えられた面白いルール。
昔のルールをただ覚えるだけじゃつまらない。
街のニュースを見たときは、「国が動くのを待つ? それともクラファンみたいな民間の力で今すぐハッピーに変えちゃう?」って、逞(たくま)しく未来の作戦を立ててみてね!
*本原稿は、ジェミ兄さんとの対話を基に構成されました。
※この記事では、教科としては「公民」を念頭に、具体的な活動例にも触れながら、社会を動かすことについて考えました。

ジャートム株式会社 代表取締役
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