「FILTER関数」で特定データを自動抽出

※この記事では、自動化の二歩目を紹介します。

コピー&ペーストはもう卒業

全国の先生方、日々の校務お疲れ様です。
Google Workspace for Education 活用Tips「スプレッドシート編」の第5回です。さて、
学年名簿や回収済みアンケートなど、集まった全体データを前に、普段こんな作業をしていませんか?
「『未提出』の生徒だけをコピーして、別のシートに貼り付け、催促の連絡用リストを作っている…」
「『要支援』等の項目にチェックがついた生徒を一人ずつ探して、別表にまとめている…」
元データが更新されるたびにコピー&ペーストをやり直すのは、時間の浪費です。更には、手作業によるミスも生じがちです。
今回は、元データが変われば抽出先もリアルタイムで自動更新される関数「FILTER(フィルター)関数」をご紹介します。

1. FILTER関数で、コピペ作業を完全自動化する

FILTER関数とは、「元データの中から、指定した条件に合う行だけを丸ごと抜き出して表示してくれる」関数です。
使い方はとてもシンプルです。

=FILTER(抽出したい範囲, 条件1, [条件2…])

たとえば、元データに新しい生徒が追加されたり、提出状況が「未提出」から「提出済」に変わったりすると、FILTER関数を入れたシート側も一瞬で自動更新されます。手動でコピペし直す必要は一切ありません。

2. 実務で使える具体的な書き方

学年名簿(名簿シート)から、「未提出」の生徒だけを別シートに自動抽出したい場合の例です。

=FILTER(名簿!A2:C100, 名簿!C2:C100 = “未提出”)

名簿!A2:C100 ← 抜き出したい全体の範囲(氏名やクラスなど)
名簿!C2:C100 = “未提出” ← C列(状況欄)が「未提出」になっている行だけを絞り込む条件

これだけで、条件に合う生徒の氏名や情報が、別シートにずらりと自動表示されます。

今日のミニ校務ワーク (所要時間: 3分)

実際に FILTER 関数を使って、自動抽出を体感してみましょう。

課題: 1分でできる「未提出者リストの自動生成」
新しいスプレッドシートを開き、下のタブ「+」で2枚のシートを作ります。

シート1 (名前を 元データ に変更):

A1: 名前 / B1: 状況
A2: 山田 / B2: 提出済
A3: 佐藤 / B3: 未提出
A4: 鈴木 / B4: 未提出

シート2 (名前を 要確認 に変更):

A1に 未提出者一覧 と入力

シート2(要確認)のA2セルに以下の式を入力してEnterキーを押します。

=FILTER(元データ!A2:B4, 元データ!B2:B4 = “未提出”)

「佐藤」と「鈴木」のデータが自動で表示されたのを確認します。

★ここをチェック!
元データシートに戻り、鈴木さんの状況を「未提出」から「提出済」に書き換えてみてください。
要確認シートを開くと、鈴木さんの名前が自動で消えているはずです。

10歳からわかる「まとめ」

データ管理は「一元化&自動同期」が鉄則
今回は、コピペ作業を完全に不要にする FILTER 関数をご紹介しました。
「元データ(master)を1つだけ更新すれば、関連するすべての集計表やリストが自動的に更新される」という状態を作ることで、校務のミスも作業時間も、共に減らすことができます。

いよいよ次回はスプレッドシート編の最終回(第6回)です。
「アドバンス級 Google Apps Script(GAS)超入門〜ボタン一つで確認スタンプを自動入力〜」 をお届けします。お楽しみに。

正・反・合

「仕事は忙しい人に頼め」と言われます。ナポレオンの言葉とのことですが、今では、ビジネスの格言の一つですね。その人が仕事で忙しくしているのは、周りから信頼されているので依頼が絶えないからです。仕事のやり方をよく知っているから依頼が絶えないのか、依頼が絶えないから仕事のやり方をよく知ることになるのか。おそらくその両方が相まってのことでしょう。とにかく、仕事は、ただ暇にしている人に頼むより、その「忙しい人」に頼む方が、結果的に早く済むというのは、経験上、納得がいきます。
しかし、教師の場合、特定の人に仕事が集中するというのはよろしくありません。効率的に校務をこなしている同僚がいるなら、他の人はその人からやり方を盗むなり習うなりしてもらいたいものです。なぜなら、先生の時間の大半は、児童生徒との時間に割いてもらいたいからです。ところで、Google Workspace があれば、盗む・習うは実際には必要ありません。「共有」すればいいだけだからです。ノウハウはサクサク共有し、子ども達のために使う時間をドンドン生み出していきましょう。

*本原稿は、ジェミ兄さんとの対話を基に構成されました。

※この記事では、自動化の二歩目を紹介しました。