
※本記事では、クラスルーム活用での子ども達による資料の共同編集について紹介します。
1つのファイルをみんなで編集
全国の先生方、今日もお疲れ様です。
Google Workspace for Education 活用Tips「Google Classroom編」の第5回です。
授業でグループワークや意見共有を行うとき、こんなもどかしさを感じたことはありませんか?
「模造紙や付箋を使用すると、準備や回収に10分以上かかってしまう…」
「班ごとの話し合いで、一部の得意な子だけが書いて他の子がぼんやり見ている…」
「途中、他の班がどんな意見を出しているのか、発表の時間まで共有できない…」
「みんなでひとつの物を作り上げる学び」はとても大切ですが、紙やホワイトボードを使った協働学習には準備や進行のハードルがつきものです。
実はClassroomを使えば、クラス全員(またはグループ)が「1つのデジタルワークシート」に同時に書き込める協働課題が一瞬で作れます。
今回は、リアルタイムでお互いの思考が見える化される「全員共有課題」の作り方と、授業を盛り上げるコツをご紹介します。
1. 「個別コピー」と何が違うのか
第3回では、生徒一人ひとりに別々のプリントを配る「各生徒にコピーを作成」を使いました。
今回使うのは、プルダウンの中にあるもう1つの選択肢、[生徒がファイルを編集できる] です。
【この設定にするとどうなる?】
この設定により、以下のようなことができるようになります。
– 先生が添付したたった1つの原本ファイルを、クラス全員が同時に開いて一緒に編集できる
– 友だちが画面上で文字を入力したり、画像を貼ったりしている様子がリアルタイムで目の前で動く
– 「模造紙1枚をクラス全員で囲んで、みんなで同時に付箋を貼っている」ような空間が画面上に完成する
2. 協働課題を配信する手順
Google スライドを使って「全員参加の意見共有シート」を配る手順を見てみましょう。
【配信手順】
1. Classroom上部の [授業] タブをクリックします。
2. [+ 作成]ボタン > [課題] をクリックします。
3. タイトル(例: 【みんなで共有】環境問題についてのアイデア出し)を入力します。
4. [ドライブ] または [+ 新規作成] で、Google スライド(またはスプレッドシート)を添付します。
※あらかじめスライドに「出席番号1番」「出席番号2番」…と生徒ごとのページを作っておくとスムーズです。
5. 【ここが最重要!】 添付ファイルの右側にあるプルダウンを開き、[生徒がファイルを編集できる] を選択します。
6. 右上の [割り当て] をクリックします。
これで、全員が同じ1つのファイルを編集できる協働課題が配信されます。
3. 授業が劇的に変わる「協働学習」の仕掛け
この機能を使うと、授業中の空気感がガラリと変わります。
「他の子の考え」がリアルタイムで見える:
「何を書けばいいかわからない…」と手が止まっている生徒も、友だちの作業画面をチラッと見ることでヒントを得て、自力で書き始められるようになります。
授業終わりの「黒板撮影」が不要に:
全員の意見が最初から1つのファイルに集約されているため、授業が終わった瞬間に「クラス全員の知恵が詰まったまとめ資料」が完成しています。
今日のミニ校務ワーク (所要時間: 3分)
「全員が編集できる課題」を配信する設定をシミュレーションしてみましょう。
課題: 全員共有の課題を作ってみよう
1. Classroomを開き、上部 [授業]タブ > [+ 作成] > [課題] をクリックします。
2. タイトル: 【テスト】みんなでアイデアスライド と入力します。
3. [+ 新規作成] から [スライド] を1つ追加します。
4. ファイル名の横のプルダウンをクリックし、[生徒がファイルを編集できる] を選びます。
5. 右上の [割り当て] を押してみましょう。
★ここをチェック!
第3回(各生徒にコピーを作成)のときと違い、添付ファイルが「生徒全員で1つだけ」共有されている状態になりましたか?
この設定ひとつで、「個別のワーク」から「全員参加の協働セッション」へと一気に授業の質が切り替わります。
10歳からわかる「まとめ」
教室全員の頭脳が「1枚のシート」で繋がる
いかがでしたか?
模造紙を用意したり付箋を数えたりしなくても、ボタンひとつで教室全体がアクティブ・ラーニングの場へと早変わりします。お互いの意見に刺激を受けながら、考えを深め合っていく子どもたちの姿をぜひ体験してみてください。
いよいよ次回はClassroom編の最終回(第6回)、「赤ペン採点にサヨナラ。個別の即時コメントとルーブリック評価、そしてクラスのアーカイブ」をお届けします。お楽しみに。
正・反・合
教室にいる子どもたちは、一人ひとりが実に個性的です。
先生が何か問いかけをしたとき、直感的にパッと言葉を返せる子もいれば、一度じっくりと自分の中で噛み砕いてから口を開く子もいます。じっくり考えるタイプの子は、頭の中に素晴らしいアイデアがあっても、先に誰かに発言されてしまうことで、結果的に「発言しないまま」授業を終えてしまうことが少なくありません。
しかし、そこに「手を動かして書く(入力する)」という作業が加わると、教室の景色は少し変わってきます。口で話すのは慎重でも、「書くことならサクサク進む」という子も確かにいるからです。1つのファイルをみんなで編集する作業には、そうした意味での「発表の機会の均等化」を生み出す大きな力があります。
さらに、作業の途中で友だちのシートをリアルタイムに参照できることには、「グループダイナミクス(相互作用)が生まれるチャンス」も豊かに秘められています。友だちの書いたひとことや視点がきっかけとなって、「あ、そういえば!」と思い出したり、バラバラだった自分の考えがすっとまとまったりすることは、大人でもよくあることのはずです。
誰かのひらめきが、隣の誰かのひらめきを呼び覚ます。
ファイルの共同編集は、一人ひとりの個性をすくい上げ、教室全体をひとつの生きた学びの場に変えていく、とてもあたたかい仕掛けといえるのではないでしょうか。
*本原稿は、ジェミ兄さんとの対話を基に構成されました。
※本記事では、クラスルーム活用での子ども達による資料の共同編集について紹介しました。

ジャートム株式会社 代表取締役
学校・企業・自治体、あらゆる人と組織の探究実践をサポート。
Inquiring Mind Saves the Planet. 探究心が地球を救う。
