探究ゲーム

ゲームの醍醐味

子どもに限らず人は大概ゲームには夢中になります。そこで、ちょうど、この夏休み期間を利用して、福井県坂井市を舞台にした「探究ゲーム」をプランニングしてみようと思い付きました。まずは、ChatGPTの助けも借りながら、人は何故ゲームにハマるのかを考えてみます。ゲームを通して得られるものには次のようなことがありそうです。

  • 目標クリアを通しての、達成感・自己効力感の実感と、ポイント等の実利的報酬
  • 空を飛ぶなど現実では出来ない体験と、それを通した想像力や好奇心への刺激
  • 自己表現力やコントロール・支配力を発揮する場
  • オンライン上の対戦や協働を通した、社会的つながりを感じる場や自分の居場所
  • 時によっては、その場が、現実逃避やストレス解消としても役立つこと

上記の実現を保証するのはゲーム参加者が遵守する「明確で公平なルール」の存在です。それによって行動の結果がすぐ判明することで、ゲームは信頼され、面白味が増します。

なお、ChatGPTは補足として、なぜ人はゲームに夢中になりすぎるかについても自らコメントをくれました。元々ゲームはプレイヤーを長く惹きつけるように設計されています。そのため、自己制御力・自制心が発達段階にある子どもには特に、「やめ時」の判断が難しく、その結果、過度にのめり込むことがあるという説明でした。

ゲームの特性を探究活動に取り入れる

ゲームの特性をうまく取り入れることで探究活動を子ども達にとって「やらされるもの」から「やりたくなるもの」へと変えることができそうです。探究活動の設計アイデアとして、以下のようにゲームの仕組みを応用することを考えてみました。

主なゲームの特性には、下記の①から⑥があると考えられます。それぞれを、どのように探究活動に応用できそうかを考えてみます。

①明確な目標と段階的なゴール

これには「ミッション制」を取り入れます。探究活動を小さなチャレンジ(例:情報収集→仮説立て→検証…)に分けて「今週のミッション」に取り組む形にすると、達成感が得やすいでしょう。

②報酬と達成度把握

これには、「バッジやポイント」を導入します。探究の過程や成果に応じてデジタルバッジやオリジナルポイントを付与することで努力や挑戦を「見える化」します。

③プレイヤーの選択自由度

これには「選べるクエスト」を採用します。自分が興味あるテーマを選べるようにして、「自分で決めた」という感覚を強化します。

④失敗しても再挑戦できること

これには「リトライ歓迎」で応えます。仮説が間違っても「学びに近づいた」として、リフレクション → 再挑戦の流れを奨励します。

⑤共同プレイや対戦

これには「チーム探究や発表バトル」を組み込みます。仲間と協力して資料をまとめたり、発表スキルを競ったりすることで、社会性やモチベーションが向上します。

⑥ストーリー性・世界観

これには「主人公」になってもらうことで対応します。探究テーマに物語性を持たせて、「○○調査隊の一員になって謎を解く」といったロールプレイ要素を加えます。

子ども達の興味をそそるポイント

子ども達の興味をそそるには以下の点が大切と、ChatGPTは指摘しています。

  • ミッション、クエスト、レベルアップ、エンディング等、ゲーム用語を使うこと
  • 進行ボード、デジタルバッジ、ポイント表などの見える化ツールを使って、進み具合をワクワク感につなげること
  • クエスト名や称号を自分達で考えるなど、自ら設計に関われる要素を入れること

また、具体例として示された「農業を探究する場合」は、このようなものでした。

タイトル: 未来を救え!ミッション・ニューファーマー

設定: 気候変動で食糧危機に陥った未来。君たちは「農業探偵団」として、過去と現在の農業を調査し、未来の農業モデルを提案せよ

ステージ例:

1st ステージ: 地域の農産物を調査せよ!

2nd ステージ: 農家の人にインタビューせよ!

3rd ステージ: テクノロジーでどう変わるかを予測せよ!

4th ステージ: 君たちの農業未来プランを発表せよ!

中学生になれば自分で課題テーマを決めたくもなるでしょう。しかし、小学生の段階では基礎知識の習得も重要です。探究テーマを共通にし、共同学習せざるを得ないなら、楽しく取り組めるよう進め方に工夫を加えるのは、児童の集中力を保つ一つの策となりそうです。

坂井市「探究ゲーム」案

さて、坂井市向けの「探究ゲーム」についてです。福井県坂井市は、坂井、丸岡、三国、春江の4つの地区から構成されています。それぞれを舞台とした「ゲーム化された探究シナリオ」をChatGPTと考えてみます。条件は「食育」を大きなテーマとすること、小学生が大好きな「ガチャ」の要素も組み入れること、の2つにしました。「食育」×「探究」×「ゲーム」×「ガチャ」のシナリオ案は、現段階で以下の通りです。

総タイトル: 食の探究団 〜サカイシティのめぐみをめぐる大冒険〜

坂井地区

シナリオ名: 米と野菜のまちを守れ! ~ミッション: 未来の田畑をつくれ~

探究テーマ: 地元農作物の育て方と工夫

ガチャ: 「農業ヒーロー」ガチャ(天気・世話・道具・先進技術などのカード)

食育の切り口: 農家の工夫、農業AI、地産地消

丸岡地区

シナリオ名: お城の台所の謎を解け! ~ミッション: 昔と今の、食の違いと同じを探せ~

探究テーマ: 食の歴史と文化(丸岡城・戦国時代の食、今の食)

ガチャ: 「昔ごはんと今ごはん」ガチャ(干し飯、梅干し、蕎麦、畜産などのカード)

食育の切り口: 食の歴史・変遷、保存方法、旬の食べ方、食の知恵

三国地区

シナリオ名: 海の恵みを追え! ~ミッション: 魚のひみつ・浜のひみつを探れ~

探究テーマ: 漁業・海産物と三里浜の作物、観光客を呼べる料理

ガチャ: 「海のなぞと浜のなぞ」ガチャ(魚介類の種類・漁や世話・料理などのカード)

食育の切り口: 漁師の工夫、農家の工夫、命をいただく意識、観光資源としての食

春江地区

シナリオ名: 食品工業の世界を知れ! ~ミッション: 食の機械は人をどう助けているか~

探究テーマ: 加工食品と食の工業化の今と未来

ガチャ: 「食品加工」ガチャ(機械・お菓子・加工・販売・無駄削減などのカード)

食育の切り口: 食材の活用、6次産業化、食べ過ぎと栄養バランス

まだまだ未完成のシナリオですが、やってみようと思ってくれる学校が現れてくれたら嬉しいです。その学校には、是非、進めながらのチューニングをお願いします。児童のアイデアで新しいミッションやガチャカードが増えたり、新しいエンディングのオプションが出来たり、その学校独自のゲームとして育ててもらいたいものです。

10歳からわかる「まとめ」

・「探究」は、自身が興味・関心を感じるテーマに取り組むことが基本。一方、小学生の段階では、「環境」や「福祉」など、「児童に勉強してもらいたい」テーマも数多く存在する。それらに積極的・主体的に取り組んでもらう仕掛けとして、探究のプロセスにゲーム要素を組み込むのは、一つの考え方だろう

・ゲームのルールは必要に応じて都度、更新する。次年度への申し送りとして新たなミッションアイデアを引き継ぐなど、完成に向け毎年改良を続けて行けばよい

第114回 福祉がテーマの探究を読む